今リオは『青紫色のスキミーズ』

第16回 新人シナリオコンクール

佳作
『青紫色のスキミーズ』    from 月刊シナリオ5月号

脚本:山崎佐保子

紫、デッキブラシで手当り次第に窓ガラスを割っている。
由紀「紫!」
由紀、紫を追いかけ階段を上る。
由紀「なんでこんなことするの!?昨日どこにいたの!」
紫「助けなかったくせに!」
紫、由紀を睨みつける。
由紀「・・・」
紫「助けなかったくせに!私はいつもお母さんを助けようとしてるのに」
由紀「・・・ごめんね」
由紀、その場に座り込んでしまう。
紫「私はもう誰も助けない」
紫、二階に上がっていく。


スキミーズとは・・イギリスやスコットランド地方の労働者階級の家庭に生まれた、薄手のナイロンジャージをトレードマークにその日暮らしをしている
         様な若者たちのこと.....という説明が書いてあります。

主人公は15歳の少女。思春期のあるひと時を描写した、少し荒削りでホッとするシナリオ。
日常を描きましたっていう作品は個人的には嫌いじゃないですね。
「自分もこんなんだなぁ」って、なんだかすんなり作品に入れるので。

でもこういう作品って結末が難しいですよね。

現実の日常って....少しづつ人が成長してほんの少し変化があって。

分かるけど、作品にすると少し物足りなさを感じる時が多いような気がします。

本作を他の人が読んだらどう思うのでしょうか。

僕はもっとせつなくなったり、人に優しくなったりと
読み終えた後に、感情的になって物思いにふけられるような作品がもっと好きですね。